スッキリした!シックリした!毎日が楽しくなった!『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』(新潮新書)橘 玲 (著)

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「最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。」の書き出して始まります。
真実とは時に不愉快なものなのです。

知らないことって知りたくなるでしょう?
内緒事って知りたくなるでしょう?
タブーって気になるでしょう?
キャッチーさの面でも見事なタイトルの1冊だと思いました。

この『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』には、身長や顔など見た目の遺伝と同じように、知能や性格も当たり前のように遺伝するのです。という事が書かれています。

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おおまかに「言ってはいけない」をネタバレ

私たち日本人は、外見が遺伝するのは、仕組みは解っていなくても、当たり前に認知しています。
しかし、精神的疾患、いわゆるメンヘラ、IQ、知能も遺伝する。と言われて、どう思いますか?

心の底から、「そんなの当たり前じゃん?何今更?」って、思える日本人は少ないんじゃ無いかと思います。
自分のせいで、はたまた自分の親のせいで、子供が自分が、精神疾患になった。なんて思いたくないですよね。
日本で「精神疾患」どこか陰を宿し、触れてはいけない部分だとすり込まれています。
今でこそ、有名人の精神病をニュースで見ることが、できるようになりましたが、昔の日本では、ひたすら隠されて隠されてきた歴史があります。

身長や体重などの見た目の遺伝率は、7割前後だが、精神的な見えない部分の遺伝率は、8割を超えている。
見た目よりも、見えない心や知能の方が、遺伝の影響が大きいのです。

「親に精神疾患があるから、子供にも精神疾患がある。」
これ、日本で言うと差別だーなんだと、批判をうけ、大きな声で言いにくいことです。
実際、精神病、メンヘラ、どこか蓋をしてしまいがち、触れてはいけないと思いがちです。
海外でカウンセリングって日常であるのに。日本ではとんと光があたらない部分じゃないでしょうか。

その言いにくい真実を、言ってくれているのがこの『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』です。
日本人としては信じがたいことが、証拠や根拠に基づき、解説してある。

そして、簡単にカウンセリングや精神科に行かない日本人の中には、たくさん心の病を抱えた方、知能の病を抱えた方がいる。
通院しないのだから診断がない=普通の人
ということではないのです。

今の日本には、その強弱はあれど、思っている以上にたくさん精神疾患を抱えた人が、普通の人の顔をして生きていることが解ります。

『どうして、きちんと出来ないんだろう?』

それに対して、ただただ闇雲に、「努力が足りない」「我慢が足りない」「しっかり勉強しろ」などと、言ってしまってはいませんか?
言ったところで、なかなかうまくいかない。こんな事ってありませんか?
努力でどうにかしようなんて、そもそも間違っているのです。だから、何も改善されない。
そんな、前進しない日々いやですよね。

この『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』を読めば、本当の理由が解る。やみくもに「努力を強制」するよりも、もっと別の新しい対応策を考えることが出来るのです。
これまでやってきた努力という、どこか精神論めいた押しつけだけではない、別のやり方が見えてきます。

正しい理由が解るだけで、それならばこうしよう!という、正しいルートが見えてくるのです。

この本を読んで職場の困った方への向き合い方が変わった

私は、十数年間、同じ職場の困った方に、ただただ、悩まされたり、イライラしたりしてきました。
この『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』を読むまでは、本人が言ってないのに、精神疾患やメンヘラだと思うことは失礼だし、人のことをそんな風に思ってはいけない。
「同じ職場の困った人」だなと思っていても、自然に普通の人として、扱わなければならない、そうあるべきた。と、思い込むまでも無く自然にそうしていた。

私より経験が多いのに
私より年上なのに
私より・・・・・、
なんで、出来ないの?
なんで、ずっとしゃべってるの?
なんで、忘れてるの?ワザとじゃないの?

と、言わずにモンモンとした日々を送ること数年。
イライラも限界を超え、本人に厳しく言う日々を送ること数年。
でも、言っても言わなくても同じ事の繰り返しだった。

毎日帰宅し、職場の困った方の、愚痴を家族にひとしきりはなさないと、落ち着かない日々だった。
こちらが病気になりそうだった。
愚痴を聞いている家族も大変だっただろうと思う。

この『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』をよんで、精神的な遺伝はおよそ8割、みためよりも遺伝する率が高い。という事を知って、
職場の困った方も、「診断が降りるほどではないけど、どこか疾患めいたものがある人かもしれない」と思えるようになってきた。
また、そう思うことに罪悪感が無くなった。

そして、この数十年、無駄なことをしてきたと気づけた。
明日からは気にしないで行こう。こちらが気にしているほどあちらは気にしていない。と、スーーーーーーーーーっと気が楽になってきました。

「もういい年だからあの性格は直らない」
とか、良くいいますよね。
何年もつきあってきた人が、何度も強制を試みた結果、こうなるのです。

この『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』を読むと、理由は遺伝なので、年齢に関係なく、努力や強制などでどうにかなるもんじゃないんですよ。って事が解ります。

「あの人はどうしていっつもこうなんだろう」と悩み、「こうしたらできるようになるかも?」と、打開策を考えることは、無駄なことなのです。
毎日迷惑を掛けられることは変わらないけど、真剣に対応や取り組みをしていくのは、バカだと気づいたのです。
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』で、もっと有益に自分の時間を使った方が良いというマインドに切り替わりました。

終わりに

努力さえすればどうにかなるのであれば、全員、金メダルがとれるだろうし、東大に入学できるでしょう。
でも、どこかでそんなことはあり得ないと、納得できないということは解るでしょう?

ある程度はどうにかなっても、決定的にどうにかならない事もあるんじゃ無いか?と、思ってきたこれまでの時間。
そんなモヤモヤしたものがスッキリします。

努力をしないから勉強も出来ない、努力をしないから運動ができない、努力をしないから同じ事で何度も失敗する。
全てを努力のせいにしがちな日本人に、そうでは無いこと、残酷な真実を教えてくれる1冊です。

アメリカのテレビドラマや映画では、日常的にカウンセリングの話題がでたり、カウンセリングに通うシーンがあったりします。
コレは普通のことで、日常なのです。
日本ではまだ、精神課に行くというと、どこか陰を宿し、触れてはいけない部分だという風潮がありますが、そうではないのです。

精神疾患も当たり前に遺伝するから、自分一人でどうにかなるものでないし、本人のせいでもない、専門家の力を借りて、早めに手を打った方がいいという当たり前のことなのです。
熱が出たから、動けなくなる前に、内科に行く。
おなかが痛いから、盲腸が破裂する前に、病院に行く。
ガン家系だから、がん保険に入っておく。
これと同じなんですよ。

遺伝の影響なんてあるわけ無いと思っている今の日本は異常なのです。
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―』の冒頭にある「不愉快な本」との断りが、いつか消える社会が来ると良いと思う。

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