私が勤める職場には、とても変な人がいます。
リスペクトを込めた「変」や「変態」的な意味での、「変な人」ではなく……。
彼女の、体験してない方には、どう説明したら分かってもらえるのか……。解らない。
彼女には、たくさんの不可解な点がある。
その不可解な事象は、それぞれが、とても小さなことだったりするけど、積もり積もると、もの凄いストレスだった。
仕事が出来ない意味で嫌い
人間だからどうしても、合う合わないはある。
色んな人間が集まった職場なら、なおさらだ。
職場で友人を作ろうとも思っていないし、派閥とかもめんどくさい。
女性に良くありがちな、仲良しごっこも嫌いだ。
地道にコツコツ仕事をクリアし正当な評価をいただければ、私はそれでいい。
同僚との共通点は同じ会社を志望したことくらいしかない。と思っています。
合わない人と、あえて喧嘩をしようとも思わないし、好きな人と仲良くなろうともしない。
ずっと勤めたい職場なので波風はできるだけ立てたくない。まぁ、大人だし、会社組織だし、それなりの人付き合いはしますが、一線は引いている。
自分が出来ないことを、他の人が出来る。だから、職場には色んな人が居る。
職場は、この人が、好きとか嫌いで居る場所ではない。
そんなマインドを持ってしても、どうしても、心が太刀打ちできない人が居る。
便宜上、この人を大谷さんと、仮名で呼ぶことにしよう。
この大谷さんの奇妙なところをまとめてみる
- 自分がやるべき仕事を人にやらせてニヤニヤしている。
- 自分が出来ない、解らないのは”教えてくれない人が居る”せい
- 大谷さんが一番暇なはずなのに「出来ません」を普通に繰り出す
- 自分は何も悪くない、悪いのは自分以外の誰かだ といった発言をよくする。
- 偉そうな事を言うくせに、仕事が出来ない。
- 浮上したテーマで、高尚を垂れ流すくせに、自分に仕事が降りかかりそうになると、サッと逃げる。
- 1日中オシャベリをしている。
- やらなくて良いことに労力を使い、やるべきことを放置する。
- 都合が悪いことは何ヶ月も放置する
思い返すだけで、ほんと嫌い。
気づいたことがある
この大谷さん、人をイライラさせる天才で、何人もの同僚・上司が、ハッキリしないモヤモヤやイライラに悩まされ、頭を抱えている。
時には、「はぁ?何いってんの?」「うるさいんだけど?」と、厳しめに接する人も居る。
上司からも、「解ってるの?理解してる?」と、厳しい言葉を受けていることもある。
人は変わらない。
何度怒られても、同じ事を繰り返す。
大谷さんは、奇妙なことばかりするから、怒られる事も多い。
しかし、しょんぼりしているのは、その一瞬だけで、すぐにいつも通りのテンションに戻る。
よく大谷さんの話になると、よく「ハートが強い」という単語が飛び交う。
どんなに怒られても、どんなに皮肉を言われても、彼女はいつも通常運行の厚かましさで、そこに居るのだ。
ということは……。
めっちゃ怒られなれてるじゃん。
と気づいた。
大谷さんに対して、皮肉を込めて、端で聞いていると、すごく厳しいことを言ってる人が、時々居る。
しかし、大谷さんは、ケロリと、「そうよねー」と、まるでジブリの主人公のようなテンションで軽く話にのっかっている。
おそらくだが、言葉を額面通り受け取って、皮肉だと気づいていないんだと思う。
そして、その皮肉が、自分に当てられたものとは、みじんも思っていないんだと思う。怖い。
大谷さんのために、考えたり、悩んだり、イライラしたりするのは、時間もメンタルも、もったいないと解ってはいても……。
なかなか気持ちを切り替えるのは難しいのです。
本人にぶつけることにした
キツイことを言ったら空気が悪くなるかな?とか
大谷さんが傷ついちゃうかな?とか
私悪者になっちゃうかな?とか
何年も、気を遣って出来るだけ冷静に対処してきたが、限界だった。
モヤモヤを同僚と話すこともあるけど、何も解決しない。
せいぜい、2人で共感して、お互いちょっぴり気が晴れる程度だ。
毎日、帰宅しては家族に大谷さんの愚痴をひとしきり言わないと、家事に取りかかれないくらい病んでしまっていた。
大谷さんが怒られなれていることに気づいて、ビジネスライクな対応を止めて、大谷さんには悪いがイライラをぶつけることにした。
「これだけのことが、なんでそんなに時間かかってるの?」
「長々と(メール)を書いているけど、結局言いたいのは何?」
本当は、何もしていないのに、仕事をしていない理由に「確認中です。」と、大谷さんは良く言う。
「誰に?何を?確認しているの?」
と、言い訳とわかりきった答えに、突っ込むようにした。
大谷さんと闘う人もたまに居るんだが、会話力に推されて引いてしまう人が多い中、私は、つついたら、ぐうの音も出ないんだろうなーって、思うような点を攻撃をする事にした。
今まで、大人だから、会社だから、と誰もつつかなかったところを、突っ込むことにした。
同僚との愚痴で何度も出てきた単語を直接彼女にぶつけることにした。
それだけで、割とスッキリするようになった。
イライラはイライラの原因にぶつけないと解消しない
何かで読んだか、誰かが言ってた。
確かにそうだとおもった。
厳しいことや都合の悪い点を、ストレートにつっこんだところで、ケロリと通常運行の厚かましい大谷さんがそこに居る。
だから、しばらくはコレでしのごうと思う。
私のイライラを何年も聞き続けた家族には申し訳ないとおもうし、その家族も被害者だ。
どうせ効かない攻撃なら、イライラ攻撃を放ってしまえば良い。
厳しいことを言われなれすぎて、効かないのだから、普通に言ったって通じるわけがない。
厳しく攻撃をしても、大谷さんはいつでも通常運行。
だから、気にせず、気を遣わず、ストレートに攻撃することにした。
同僚と愚痴を言い合うよりも、家族に愚痴を聞いてもらうよりも、格段にスッキリした。
普段から、周囲をイライラさせている人は、怒られなれている。
このことに、気づいてから、大谷さんに対してだけは、キツイ言葉を言う罪悪感が減った。
デスクワーク中、一人静かに、イライラする時間も減った。
上司に、大谷さんのクレームを言う時間も減った。
結果、仕事が捗るようになった。
嫌いな人のために使う時間はもったいない
嫌いな人のために、悩んだり、考えたり、眠れなかったりするのは、本当に無駄なことと解っていても、気持ちがなかなか切り替えられないことはある。
人間だものw
仕事が出来ない人のせいで、こちらの仕事が増えるとか、私が仕事が出来ない人みたいな扱いになるのは、ごめんだ。
出来れば関わりたくないので、同僚のほとんどが、大谷さんを避けるルートを選んでいる。
それでも、仕事だから、時々は大谷さんと接しないといけないこともある。
私と大谷さんが接することは少ないことなのだが、その数少ない中でも、必ずグズグズするから、私はイラっとする。
そんなときは、アホなの?バカなの?とおもったことを、直接本人に伝える。
これで、気持ちの区切りが付き、目の前の仕事に集中出来るようになった。
かつては、「こうしたほうがいいよ~」と、優しい言葉を掛けることもあったし、優しい言葉を掛けている人も居た。
しかし、そのたびに、大谷さんは綺麗な言葉を選んで、必ずと言っていいほど人の助言には従わない。
そして、ほれみたことか。という結果になる。
そして、大谷さんと一緒に私も怒られるようになる。
一緒のレベルならまだましで、言い逃れが上手すぎる大谷さんのおかげで、私のせいで出来てないんじゃ?という、空気感さえ出てしまう。
相手のためになるように助言しているのに、なぜか、こっちのメンタルが削られるのだ。
そんな人には大人の対応をするだけ無駄だし、悩むだけ無駄。
家族に愚痴を言う時間も無駄。
大谷さんに対して、真剣に取り組むことは無駄なのだ。
仕事は出来る人は好き
性格や価値観が合わない人でも、仕事の出来る人、仕事が早い人のことは、好きだ。
この好きなタイプの職場の人間を、常に「見習うべきところは無いか」「真似できるところは無いか」と、観察し真似をする。
悪く言えば、自分のためにお手本として活用させていただいている。
なにより、こういう方たちとチーム戦で仕事をすると、効率的にスムーズに、そして情熱的に仕事ができるから、好きだ。